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昭和30 (1955) 年 夏 (第37回)


第一回戦 7月17日 高崎城南


チーム
前橋工
沼 田

◎ 前橋工宮下、沼田高尾崎両投手の投手戦となり総合力でわずかに優れた前橋工が最終回に長打をつるべ打ちにして勝ったが、なかなか内容の充実した好ゲームだった。宮下投手は身体もよく、スピードも豊かでカーブの切れ、コントロールもよい力の投手。尾崎はアウトローにカーブとシンカーをきめる技巧派と剛軟の競った投手戦は見応えがあった。
◎ 沼田高には二度のチャンスがあったが、後続なく逸機した。五番打者が4打席4三振とブレーキになっていたのは残念。
◎ 前橋工は尾崎投手に前半完全にごまかされていたが、後半同投手の決め球であるアウトコースへの配球をよく見て、最終回連続安打して勝った。負けた沼高でも投手・遊撃手・中堅手の三選手はAクラス。





宮下

小川

沼 田  前 工
(二)富沢401(三)石崎410
(右)立木210(二)小川530
(中)割田311(一)荒井510
(遊)霜村411(中)飯塚400
(左)北林400(投)宮下410
(一)関根401(遊)登丸300
(投)尾崎310(捕)五十嵐421
(捕)森田410(左)滝野310
(三)藪原300(右)山本200
                 
10300315 443213491

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 ベテラン揃いの強み
夏に強いエース尾崎  



校長橋本興一
部長小松原栄一郎
監督小松原栄一郎
主将
(遊)
霜村住男*3年
(投)尾崎貞利3年
佐々木邦夫1年
(捕)森田孝男3年
角田敏志2年
(一)関根直男2年
(二)富沢 勇3年
白井 清2年
(三)籔原三郎**3年
野中成夫3年
竹野谷一哉2年
(左)北林忠生3年
(中)割田文男3年
星野 巌2年
(右)中島 弘3年
立木 昇2年

*同窓会名簿では、霜村男となっている。
**同窓会名簿では、藪(くさかんむりの「ヤブ」)原となっている。
   
 県内の最北端に位置して、練習量も他チームにくらべて少く試合相手に恵まれずにいるため、毎年二、三の傑出した選手を生んではいるが、コーチ不足も加わって、チームの綜合力の点で地域的な条件が原因して大きなマイナスとなつていた。
 戦後にも佐々木、茂野両投手に井沢捕手などの名選手が生まれ、県球界の異色とされたがチームとしてはまとまりを欠き、Bクラスに止まるに精一ぱいというところだった。
 今年のチーム最大の強みは、昨年のメンバーがそつくりそのまゝ残つており、しかもレギュラーは一塁の関根を除いて全部最上級生で各選手とも恵まれた体を誇つている。
 昨夏非力のチームのバツク・ポーンとなって健投、大会でも屈指の好投手に数えられた尾崎は健在、春先以来、独得の伸びのある投球にやゝ精彩を欠き、昨夏ほどの威力をみせていなかつたが、シリ上りにようやく復調の兆しを見せはじめ、快調なピツチングに立ちかえつたので、夏に強いのを特質とするこの復調ぶりは期待するに充分。小柄ではあるが、その強い腕、脚、腰を十二分に活用した柔いフオームで、スピードボールを内、外角にきめ、あるいはプレートを鋭くよぎるクロス・フアイヤー、アウト・ドロツプを武器にコントロールのよい頭脳的ピツチングは定評のあるところで、今年もチームの原動力となつて活躍するだろう。
 リリーフには三塁の籔原、一年生の佐々木もいるが信頼するに足らない。
 捕手森田の強肩ぶりとその長足な速歩も見逃せない。
 昨夏まで尾崎のワンマンチームだつたが、今年は打力にも明るい見通しがつき、その向上が目立つて来た。割田をトツプに置いて主将霜村、北林、尾崎、籔原、森田がしぶとい打線を作り上げ、ことに割田は精カンな打者で球によく食い下り、長打力もあり堂々たるトツプ打者でフアイトあるバツター霜村とともに攻撃陣の中心となつている。
 現在この打線も、決して快調とはいえないが、今シーズン前半はチーム打撃三割を上まわる好調をしめしていたので、打力の復調があれば尾崎の力投と相まつて強豪相手に力強い山のチームの面目を発揮するだろう。
 守備は霜村遊撃手を中心とした内野はこじんまりとまとまり、外野もわずかにライトが不安なだけ守衛範囲の広い割田が中堅を守つてよくこれをカバーしている。
 昨秋からの成績が七勝五敗と徐々に成績をあげて来ているが試合運びに粗雑な点があるのは否定出来ない。強豪チームのペースにまきこまれす、尾崎の好投に打力が応えればかなりの成績を収め得るだろう。

(この文章と資料の出典は不明)

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